映画 『幸せへのキセキ』 について
こんばんは、キャリーです。
今回は映画[幸せへのキセキ(原題We Bought a Zoo)]を紹介します。
素人が動物園を買って、再開演を目指す物語。
一言で言えばそんな映画です。
実話を元にしています。
映画『幸せへのキセキ』予告編
(主な登場人物)
●ベンジャミン(マット・デイモン)
冒険好きなコラムニスト。
妻を病気で最近亡くす。
●ディラン
反抗期全開な息子。絵が得意。
●ロージー
幼い娘。本作のマスコット的存在。
●ケリー(スカーレット・ヨハンソン)
本作のヒロイン。
廃れた動物園の飼育係リーダー。
主人公のベンジャミンミーはシングルファザーとして2人の子育てと仕事の両立に悪戦苦闘。
反抗期の息子のいけずな態度に加えて、不慣れな女の子への対応もあって朝から非常にカオスです。
加えて、息子は学校で問題を起こすなど不運が重なります。更にベンジャミンは仕事も勢いで辞めてしまい、序盤から怒涛の展開です。
そんな中、ベンジャミンは娘を連れ新しい家を探しに行きます。理由は子ども達の環境を変え心機一転を図る為。
色々見た結果、気に入った家が見つかりますが何という事でしょう、その家は動物園が付いていました。悩みますが娘のロージーが非常に気に入ったので思い切って購入します。この辺りのシーンは娘が本当に良い味を出しています。
しかし、購入したものの動物園は閉鎖中。
元持ち主の資産とケリーをはじめとする数人の飼育員の善意で、辛うじて動物達は命を繋いでいる有様でした。
ベンジャミンは動物園の再開演を目指します。
さあ冒頭の始まりです...
が空回りに次ぐ空回り。素人ですから、やる気だけでは当然上手くは行きません。
更に動物が脱走したりケリーたち飼育係と対立したり息子の反抗も重なるなど、この辺は見ていて若干イライラします。
ここで印象深いのが、ケリーがベンジャミンに動物園を買った理由を尋ねるシーン。
ケリー)
こんな廃れた動物園をなぜ買うの?
ベンジャミン)
『いけない?(why not)』
果たして、無事に動物園を再開演する事は出来るのでしょうか?
この映画、廃れた動物園の再生をテーマにしていますが、実はもっと大切なテーマが存在しています。
これに気付くのは物語の中盤を過ぎたあたり。
病気で苦しむ虎のスパーへの対応を巡り、ベンジャミンとケリーが対立します。
少しでも長くスパーを生かしてあげたいベンジャミン。病気で妻を失った悲しみが多分に影響しています。
しかし、それが残酷で辛い事だと諭し安楽死を勧めるケリー。話は中々まとまりません。
そんな時に反抗期の息子ディランが絡みます。
観ていると明らかに分かるのですが、動物園を買う事も環境を変える事も息子はずっと反対でした。我慢してきた怒りが爆発します。
触発されてベンジャミンも息子への不満が爆発します。互いに罵り合う中で、息子の魂の叫びが炸裂。
『僕を助けて!!』
実は母親の死で一番心が不安定になっていたのは息子でした。だから凡ゆる事に苛立ち反抗していたのです。ただただ泣けます。
息子の本心を知ったベンジャミン。
翌朝2人はスパーの檻の前で座り込み語り合います。昨夜の罵り合いから一転、互いの良さを言い合う凄く素敵なシーンが続きます。
父親と息子が腹を割り話し合い互いを認め合う様子には心が熱くなります。いやあー映画って良いですねえ。
ベンジャミンはスパーの安楽死を決めます。
(スパーは泣いて良い)
そしてそんな2人を眺めるケリー。
これまた凄く良いシーンです。
ということで、もっと大切なテーマとは父親と息子の絆の再生です。これにはやられました。
そこからの展開はもう気持ち良いです。
資金が底をついたり、意地悪な調査官が点検に来たり、嵐が来たりしますが全て乗り切り無事に再開演となります。
調査官との攻防戦や再開演を待ち望んだ地元の方々のシーンなど終盤は特に見所たっぷりで、更に再開演の際の動物達が生き生きとした姿は見応えがあります。絵の得意な息子も大活躍しますし、亡くなった妻の意外な活躍まで描かれています。
是非フィナーレの気持ちの良いトントン拍子と圧倒的な映像美は見て頂きたい。
さて、ここで映画は終わりかと思いきや続きがあります。
ベンジャミンは息子と娘をある場所に連れて行きます。そこは妻と出会ったカフェでした。
幻として亡くなった妻が現れます。
涙を溜める息子のディラン。
ベンジャミンは妻(お母さん)とどうやって出会ったのか、何を話したのかを再現します。
ベンジャミン)
どうして、あなたのような素敵な人が、僕なんかと話してくれるんですか?
妻)
『いけない?(why not?)』
以上、映画[幸せへのキセキ]でした。
why not? 便利な素敵な言葉ですね。
最後に、この映画は劇伴も凄く素敵で、物語を幻想的かつ豊かに彩りますので、目と耳の両方で楽しめるのもお勧めしたいポイントです。
是非ご賞味あれ。